見上げれば、月

    月は、見上げれば、そこにあるものです。
    だから、月なのです。

    空に浮かぶ月を見て 「 おぉ、太陽系第三惑星の自然衛星だ 」 と言い放つ人はいないと思います。
    しかしそんな野暮な名称も、月なのです。

    ここでは、月に関する基本的なことを紹介したいと思います。
    あくまでも基本ですが、知らないよりは知っている方が、より月を好きになれると思います。

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大きさ 直径 約 3,476Km 地球の1/4弱
質 量 7,348億 t × 1億倍 地球の1/81.3
距 離 約 38万Km 地球の中心から
温 度 100度以上から、 -100度以下
恒星月 約 27.3日 地球 1周に要する期間
朔望月 約 29.5日 新月から新月までに要する期間
表側海占有率 約 35 % 海 =月面の黒く見える部分


月は、いつも同じ面を地球に向けている。
それは、月が「自転をしていない」ということであるが、実際は、自転をしている。
つまり、自転をしてないように地球からは見えるのである。
これは、潮汐力によりバランスが保たれているためであり、これを尽数関係という。
私たちは、いつも同じ顔の月を見上げているのだが、正確に50%ではなく約59%程を地球から見ることが出来る。これは「秤動」という、月が微妙に振動しているために起こる現象である。

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月は、何色で輝くのか。

月は、蒼い。
いきなり結論じみてるが、総じてそのようにされている。
しかし、月を撮影した写真を見る限り「蒼」ではない。
それは「プラチナ」か「灰色」か、総じて「銀色」と言えばよいのであろうか。

「蒼の月」は文学や歌の中で多く見られる。
「蒼」には「憂い」や「悲しみ」、また「まどろみ」や「妖しさ」を伝える香りがある。

そして、「銀」については「錬金術」が絡んでいる。
「金=太陽・銀=月・銅=金星・鉛=土星・鉄=火星・・・・・・・」のように古くから惑星に同定されていた。

また、ときには「赤い月」がある。
これは、自然現象なのか、妄想なのか、月が赤く見えるときもある。
そして、月食時には「赤銅色」になる。

彼の「宮沢賢治」もこう読んでいる。

星もなく赤き弦月ただひとり 空を落ちゆくは只ごとならず

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月は、どのような形をしているか。
聞く意味もなく、月は丸い。

しかし、なぜ丸いのか。
例えば、火星に見る衛星は「洋なし」のように歪である。
つまり、衛星が丸いのではなく、月が丸いのである。

洋なし型の月を想像してみて欲しい。
それでも、月に憑かれるであろうか。

彼の「芭蕉」もこう読んでいる。

あの中に 蒔絵書きたし 宿の月

「芭蕉」は、月を蒔絵を書く「盃」に見立てたとされる。
やはり「丸」でなければならない。


そもそも、液体も固体も重力によって球状になる。
それは、宇宙空間でも同じで、月の半径・質量が球状になるのに必要最低数値とされる。
つまり、月は微妙なバランスで球状を保っているのだ。
もしあと少し月が小さかったなら、洋なし型の月を拝むことになったであろう。
もしかしたら、お月見の団子までもが、洋なし型になっていた可能性もある。
これでは情緒が無いのではないだろか。


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