J.Bogeyman
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轆轤首
ろくろくび
言わずと知れた「ろくろ首」。首が伸びる妖怪として有名である。別に「飛頭蛮」と書いて、「ろくろくび」と表す場合も有る妖怪だ。

実は「ろくろ首」は首が伸びるよりも、首が飛ぶ形態のほうが世界には多く、日常生活は、何の問題もなく送ることができ、日中にも活動ができる。
しかし、吸血鬼に分けられる。異例の吸血鬼といったところであろう。

活動は、夜。家人が寝入った後。
首だけが、飛翔し、そして血を求めるのである。
この妖怪は、健康な人間を襲うことがないと言われ、主に墓場に行き、屍体の血を吸うのが特徴である。

この「ろくろ首」は、発見されやすい。
当然であろう。夜、家には首のない体だけが残るのであるから、家人が気がつかぬ筈がない。
もちろん切離れた個所からは、流血はしない。もうひとつの特徴は、『首に赤い痕』があるであり、これでは、吸血鬼そのものとも言える。あと地域によって、耳が翼になり飛ぶことができるという話も有る。

退治法も至って簡単で、首が居ない間に体を隠すか、動かすだけでよい。とにかく戻る場所を無くせば、滅するのである。そのあと荼毘にするか、封印法を用いるかの段取りを要する場合もある。

しかし日本妖怪としては、「首が伸び」行灯の油を舐めたり、恋焦がれる人の元に行くというほうが、シックリくるであろう。食するものも血ではなく、虫というところも乙である。

古くは中国の「捜神記」に登場し、小泉八雲もそう書いている。