「悪魔は神に組する者であり単独では存在し得ない。」
これはまず神が存在した上で、悪魔は存在し得ることを意味する。
神は全能であり、行いは全て善である。
ならば悪事は何故起こる?
全能であれば、善であれば、世に起こる事、全てが善事である筈だ。
しかし人間はそうは行かない。神だとてそうだった。
そこで全能であるが故、善であるが故、辻褄を合わせなければならない。
悪事を働く者を造らなければならない。造るのは容易だ。なにしろ全能なのだから。
そこで悪魔と云う概念が発生する。
「悪魔は神に肩を並べる者であり、その能力は神に匹敵する」
これは神に対峙する者として当然である。
そうでなければ悪魔は全能の神によって滅せられてしまう。
しかし悪魔は現在も滅びてはいない。
それでは神の全能性に欠落が生じる。
神が悪にも成り得る他宗教ならいざ知らず。
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