悪魔のシンボルとして何を思い浮かべるであろう。
有名なのは、やはりこの2つである。
1.「 ヘビ 」
2.「 山羊(羊) 」
1.「 ヘビ 」がシンボルとされるのは「 創世記 」の冒頭に近いところに出てくる。
つまり人類の始めとされるころから既に「 ヘビ 」は悪の化身なのだ。あるいは、その逆かもしれない。
悪の化身が「 ヘビ 」である。
アダムとイヴは、ご存知であろう。禁断の果実を食べたばかりに地へ堕された人類の祖先である。
イブが禁断の果実を食べたのは、ヘビに惑わされたからである。
人間を惑わす?人類祖先を惑わす?
「 惑わす 」つまり、悪魔の概念そのものである。
ここから悪魔のシンボルは「 ヘビ 」とされたという説がある。
更にヘビは脱皮を繰り返す。これは不死の現われではないか。
不死、すなわち悪魔である。
しかし、実は「 キリスト 」もヘビに喩えられる。
それは「 キリスト 」も神も不死であるからだ。
悪魔は「 悪しきヘビ 」、キリストは「 善きヘビ 」ということであるらしい。
龍はご存知であろう。これは「 空飛ぶヘビ 」である。
故に西洋では頻繁に退治される。東洋では神なのに。
この辺は何れ別で紹介しようと思う。
2.「 山羊 」がシンボルとされるのには、古代ユダヤ人は贖罪の日に山羊に罪を被せ野に放つ習慣があった故である。可哀相に山羊は自分の罪でない、人間の罪を被るのだ。
これは、悪魔の位置するところに似ている。
悪魔の絵を思い浮かべて欲しい。
角は?足は?尾は?どんな形でを思い浮かべるであろう。
もし何処か影のある美しい悪魔を思い浮かべたのであれば、それは、ミルトンの「 失楽園 」(1667年)以降、定着した姿だとされている。堕ちたとはいえ元は天使。それも一理ある。
ここで取り上げる悪魔は、それ以前の宗教画などによく描かれた半獣半人の悪魔であり、大方それは山羊からの借用である。どちらが先なのかは定かではないが、どちらにしろ山羊との関係は深い。
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