悪魔が発明したという説のあるモノについてひとつ。
ゲーテの「 ファウスト 」から
大蔵大臣と内務大臣が空の金庫を前に思案している。
すると悪魔「 メフィスト 」が現れて、ひとつの提案をする。
{メフィスト}
お金が無いのであれば、造って進ぜよう。
なに簡単な事さ。王国の地中に眠っている「宝」を抵当として
証券を発行すればいい。お札だよ。紙幣を発行するのだ。
{大臣・皇帝}
するとこの紙幣が人民の金貨の変わりに通用するのか?
宮殿で働く者たちへ給与がスッカリこれで払えるのか?
実に奇妙な話しだが認めないわけにはゆくまい。
このメフィストの発明した物こそ現在の守護神ともいえる。
我が国では「福沢諭吉」を最高神としている、紙幣である。
この神は好むとか好まぬの問題ではない。信仰しない限り生存も危うい。
ゾロアスター(サタンの項 語源参照)の説を信じるなら、悪魔の発明を信仰している現代は「 悪が支配する世 」ということになる。もしそうなら善が支配する時代は遥か彼方になりそうだ。
仮に善が支配する時代が来たとして、その時代の歴史家は今の時代をどのように表現するのだろう。