Werewolf
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変身の魅惑は、日常の自分からの脱出がある。
そこに動物をあてはめるのは、極めて自然な流れであろう。なぜならば、一番身近な、類似した生き物と考えられるからである。

日本においても狐狸類が人間へ変身する昔話があり、変身過程は逆だが同じ信仰と考えられる。

現代ですら自然に対して人間は無力であり、解明されていない事柄も多い。中世においては尚更であろう。そして現代よりも自然は身近なものであった筈である。

自然界と文化空間を別けようとする思想は中世から強まり、ここに堅固な障壁を築こうとしたが確立できなかった。これらは自然の脅威が文化圏に浸透するのを防ぎ、自然状態への退化を防ぐことを意味している。

自然を想起するのであれば森であろう。
森は恵みももたらすが、闇でもあった。
森は不思議な現象に満ちた空間である。
そこには妖精が住み、多くの幻獣などの驚異の存在がひしめきあっている。
森は見えない壁に囲まれた闇の空間であり、誰に対しても開かれているわけではない。
多くの冒険者たちは森に入り、そしてオオカミもオオカミに変身する者も森に入り、森に住むのである。

当初のオオカミへの変身は森で行われ、「werewolf」の伝承では森で必ず変身する。

森は重要な要素であったのは間違いない。

SECOND STAGE
狼と自然
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