特定の時期をもって悪魔や魔女の観念が、世に広がったのは間違いない。

そして中世後期には「werewolf」もこれらと関連付けられるようになった。
もはやここには、変身に対する信仰性はなく、悪魔と契約を結んだ者たちが引き起こす現象に過ぎないのだ。

人狼の特徴には下記の事柄があげられる。

１・異常な大胆さ
２・長期間不死身である
３・犠牲者が食い荒らされずに殺されている
４・犠牲者の衣服が引き裂かれていない
５・姿が異常と判断されること

この内で重要とされるが、1・2・5である。
1にはオオカミのもつ好奇心である。例えば人を恐れずに近づいてくることや、人の集まる場所に顔を出すことが指摘されている。
2には「人狼狩りを幾度か行ったが、いまだかつて殺せたためしがなく、そのことはそれが妖術師であり、野獣ではない証明である」 の言葉通り、「退治できない＝不死身」となる。
5には人狼の目撃談に「尾がない・手が人間と同じ・大きさが並外れている」などがあげられ、それは妖術師などが変身したときに現れる特徴であるとされる。

そして3は、餌食の頭は残すというオオカミの動物行動学において証明され、4については、「殺される」、または「事故死する」ときに「他人が脱がした」か「自分で脱いだ」かのどちらかが考えられる。