「 敵対者 」の意味で使われた「シャタン=サタン」(同項 語源 参照)は、元々神の側に居り、つまり天使として、神に背く者(敵対者)がいないかを探る役割を担っていた。それは、人間の神への忠誠心を試す天使であり、つまりそれらの人間に対する 、敵対者であった。
では何故「 悪魔=サタン 」の図式が成立するようになったのか。
それもまた、幾各語への翻訳時に起こりえたことである。
特に基点となったのはヘブライ語からギリシャ語に訳したときと考えられ、その解釈は
「 敵対者 」の意である筈の「 サタン 」を同じような意味の訳語として、ギリシャ語の「
ディアボロス−diabolos 」にしてしまったことである。
そもそも 「 ディアボロス 」とは「 非難する者
」「 背く者 」の意味であり、敵対者とはニュアンスを隔す。このような理由により、神の為に「
人間への敵対者 」として使われていた「 サタン
」は、宗教意識改革の内に「 神への敵対者 」として変貌を遂げる事となる。
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