サタンなるものは、摩訶不思議な、理解不能な存在としか云えない。
「 サタン 」の地位は、魔王であり元は天使である。 そして「 堕天使 」として地に堕された天使の中で最高位は「 ルシファー 」(天使と悪魔の項 階級と役割 参照)である。 ならばこの両者はどちらの位が上となるのか? これは大きな疑問である。時に「 ルシファー = サタン 」を唱える人もいるが、これには無理があるような気がする。 天使の時に担っていた役割が違いすぎるからだ。 ルシファーは天使時に「 人に知恵と光を与える。神に最も近い天使 」とされている。 サタンは「 人への敵対者 」(同項 役割 参照)なのだ。 では何故、「 ルシファー=サタン 」説が唱えられるのか? それは「使われる宗教が変わったからだ」とされ、宗教意識改革が大きく関わりを持ってくる。 「 宗教改革とは、その宗教を根底から創りかえるものであり、新しく創られた宗教は全く別モノと考えるべきだ 」と云われれば、返す言葉は無い。 しかし、それは飽くまで出所が違う宗教であって初めて言えることであろう。 ここでの「 サタン 」は同じ名称で同じ流れを汲む宗教なのに・・・ 不可解なり。