Witches
contents
Introduction
    魔女の集会といえば、「サバト」である。
    この他に「エスバット」という集会もある。
    この2つの集会の違いは、「エスバット」は、グランドマスターと12人で構成される集会(この組織を「コヴェン」という)であり、「サバト」は「コヴェン」が幾つも集まって行われる集会である。規模と行事が大きく違う。

    「コヴェン」は、先述したように、決まって13人で構成され、1人欠ければ1人補充の形を取っていた。
    この「コヴェン」とは、同村の者、または近郊の者で構成をし、日頃の行いの報告や指導など事務的処理のための集まりであった。そして、この「コヴェン」単位で実際に呪文を使い、占いをし、更に治療まで行っていた。

    しかし、「コヴェン」がグランドマスターと12人を加えた13人であったと言う説には反論があり、また無視されることもある。 これは13人であった例が少ないからである。つまり確証となるものがない。
    もしかしたら13人なのかもしれないし、本当はもっと多数か少数であったかもしれない。
    しかしこの「13」という数字にはそれなりに意味があった。

    * 13の意味

    「サバト」とは四季毎にそれぞれ一回ずつ行われた「大集会」である。
    「サバト」とは、「コヴェン」で使用する、新しい「呪文」や「占い」、または「治療」の伝授の場である。
    そして「サバト」は、夜中に行われた。これは悪魔の項で述べた「サトゥルヌス祭」などの名残かとも思われる。
    以上の2つが「魔女」の集会である。

    現代では「サバト」だけでどちらの集会も指す。

    サバト 黒ミサ

魔女の存在
魔女の信仰
魔女の集会
魔女の判決
魔女と悪魔
魔女と妖精
魔女の浮遊
魔女の魔術
最後に
[ Devil&Witch TOP ] [ 悪 魔 ] 

「黒ミサ」といえば、「悪魔」や「魔女」を連想するかもしれないが、基本的に「黒ミサ」は、「魔女」とは関係していない。

「黒ミサ」と「サバト」は、混同されがちだが、全くの別モノである。
「サバト」は、「サバトの項」で紹介したように「他宗教徒の集会」であり、そこに集まる人々は「悪魔」を信仰している認識など持ち合わせていない。

偶々、「自分の神」を「悪魔」と定義付けられただけである。
ところが「黒ミサ」は、「悪魔」を信仰している。
これは、微妙だが全く違う。

「悪魔」は、キリスト教に付随する概念であり、神ではない。

「黒ミサ」は、キリスト教を基準として成り立っているといえる儀式である。キリスト教のミサを逆さに行うのが通例であり、そこには「ミサ」により奇跡が起こせるのならば、その逆の奇跡も起こせるはずであるという思想がある。

そもそも、これらの行為を行い始めたのは「キリスト教の聖職者」達であった。このことは多くの文献が証明しており、当然この人達は処罰をされている。
驚くのは、このような事例が七世紀頃からあったということである。
これが本当ならば、「魔女」が存在する前に「黒ミサ」は既にあったことになる。
しかし別の説もあり、「黒ミサ」は19世紀からという説もあるので定かには解らないというのが実情である。

「魔女」が先か、「悪魔信仰」が先かは別にして、「魔女」は本来、「黒ミサ」とは関わりが無いことを認識しておく必要があるであろう。


サバト